S澤艇にはご夫妻、S根さん、I井さんの4人。5馬力でいい笑顔を乗せて先に進む。私の2馬力はだいぶセコで今回来るに当たって素人メンテはしてきたが、止まらないでくれれば恩の字という代物。始動の時からドキドキしてしまったがなんとか回り始めてくれた。殆ど風もなく快調に湖の奥へと向う。
目指す沢のBack Waterに近づくと水位の減少で黄色く露出した土手と紅葉の樹木の境目をサルの群れが移動している。割とデカイのと数が多いのに驚く。残していくボートに悪さされなければいいがと少し心配だ。先に到着したS澤艇から去年より100m以上手前に上陸と連絡が入る。水量が相当少ないのだろう。実際、去年のテン場から200m以上手前で上陸する。生乾きのひび割れた沢床はふかし芋を踏んでいるような変な感触だ。サルたちを横目に暫く歩く。サルの群れはちょうど我々の行く手を横切って森の中へ移動していく。近くで見ると小猿はかわいいが親たちはちょっとした犬ほども大きく、何かの拍子で向ってこられたらと緊張した。無事サルたちとの接近遭遇もやり過ごし、いつもの陸地まで来ると早速nao隊長がナラタケを発見。川砂の草地で?と思うが多分下に倒木が埋まっているのだろうとのこと。そういえば去年だったかやはりこの辺でヌメリスギタケか何かが採れたっけと思い出したが、誰かが「ここで最初に採れた時は奥で採れなかった・・・」とつぶやく。なるほどそんなことも確かにあった・・・。さぁ、いよいよ山の宝物探しだ!できるだけ広範囲を求めて私とT岡さんは真ん中、nao隊長以外は左岸(上流から見て左)に散って奥に進む。相変わらずキノコ博士のS澤夫妻の無線からは割りと頻繁に収穫の報告が入ってくる。我々真ん中組みはジグザグに倒木を見ながら進むが収穫はなく無線も湿りがちだ。S根さんは左岸に見切りをつけてnao隊長方面に移動した頃からポツポツと見つけ始め、とうとうヒラキナメコに行き当たったようだ。隊長も諦めずに詰めて行った沢でナメコを収穫できたらしい。こうして無線のやり取りを聞いていると、シーズンを待ちわびて毎週欠かさずキノコ採りに出かけている大ベテラン達でも見つけるたびにうれしいものなのだなぁと思う。
まして年に一、二度混ぜてもらって参加する私などはそれがマツタケであれありふれたものであれ、大きくても小さくても、多くても少なくても見つけただけでうれしくなってしまうのは当然だと思う。
それに第一無心にキノコを求めて森の中を歩き回ること自体が楽しい。何とかというボケを引き起こすたんぱく質の脳内蓄積を防止するには適度な有酸素運動が良いらしいが、キノコ採りなどはきっとそいつにもいいはずだ。日ごろの運動不足から急に徘徊に転じたせいか、いろんなことが頭をめぐる。う~ん、もう効いて来たのかもない。
そのうち真ん中組みにも運が向いてきたらしく左岸に向いた辺りから獲物にめぐり合う。単発だがブナシメジ、チャナメにキナメツムタケ、ヌメってないヌメリスギタケ(スギタケか?)、ナラタケなどなど。そして左岸の斜面に横たわる倒木においしそうなナメコ発見か!?素人の乏しい経験則ではおいしい話とおいしそうなキノコは食えないとなっているので、最初なんだか判らなかったが、開いた傘の列に連なって木の皮を割るように見覚えのある豆ナメコが並んでいる。多分ナメコだ!きっとナメコだ!と早速近くに気配を感じたS澤博士たちを一緒に昼食にしませんかなどとおびき出して恐る恐るビニール袋に収穫したモノを判じてもらった。やっぱりナメコだ!嗚呼よかった!!(笑)
I井さん、T岡さんも博士達に分類してもらって昼食のひと時。腹ごしらえも済んで時計を見る。ボートまで戻る時間を考えると残り小一時間くらい。これ以上奥へは進まず、近場の倒木などを見ながら舟に引き返すことにした。そう、今回は日帰りなのだ。それで忙しい。やはり奥利根は泊りがいいなと思う。キノコ素人の私には収穫そのものより焚き火を囲んだここでのキャンプのほうが楽しい。以前naoさんが釣りに行く度に釣そのものより焚き火を囲んでの沢の宴会が楽しいんだと言っていたが、正にそれなのだ!年々入山者も増え、規制もきつくなって息苦しくなってはきたけれどなんとか密かにあの楽しみが復活できないものかと願うばかりだ。
S根さんに一部写真のご提供を頂きました。ありがとうございました。
# by 50SanKai-club | 2009-11-03 06:50 | 山遊び