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2012.090.08 人間に運不運があるように

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昨日は予報の割にはよい天気で、朝はほとんど吹いておらず快晴だった。午後からフットボール時代のチームメイトTsu氏が遊びに来るというので、ヨブンイレブンで散々買い物し、準備万端マリーナに到着。ポンツーンでデルフィアのY口?さんに遭遇。彼と前後して船を出そうと思ったら、燃料計が空を指している。あれ?確か半分を切った頃だと思ったのだが・・・?仕方なく給油に向かうことにした。P&G艇を通り過ぎる時、T中さんがキャビンから顔出して、「釣れたよ!」と声をかけられた。彼は今シーズン絶好調の様子。先日もイナダを釣って来たとS飼船長が教えてくれたばかりだ。
YBM開店の時間まで少々あったので、デッドスローで給油所に向かっていると、何やら電線の焦げたような異臭がし、気のせいか目の錯覚か、ポワ~ンと薄く白煙が出たような・・・。慌ててキャビンに飛び込んで、バッテリー周りやらあちこち見ましたが分らない。気味悪いけどエンジンは回っているし、そのまま給油所に向かい、無事給油完了。「ThankYou. じゃぁね!」などとスタッフに愛嬌振りまきながら、もやいを解いてイグニッションを回しましたがエンジンがかからない!例のピー・・・フニャフニャと鳴くばかりなのだ。午前9時、Made in Chinaの赤外線ストーブのような無遠慮な日差しが照りつけるうえにこの未体験異常事態。スタッフもポカ~ンとする中、私は日向のつららよろしく凍りつき、足元には、あっという間に蛙が産卵できそうなほどの水たまりができた。いや~、参った!以前書いたように、このエンジンはまだ初期調整も済んでいない新品同様のもの。一体なぜ?どーしてまた今日?と頭の中も白い煙でいっぱいだ。修理スタッフ呼びましょうか?と言われて我にかえり、いや、以前からこの船診てくれている人呼ぶからと、頼みのSBF貝道氏に電話するが、これまた今日に限って、「おかけになった電話番号は、電波の届かないところか・・・・・」の繰り返しだ。困った!とっさにあの親切な笑顔を思い出してYamada Marine Loftに連絡を入れると、向こうからも連絡を取ってみると言ってくれた。
船を替えて、まだそんなに出してはいないが、やっとアワーメーターが50hを回ったので、この週末、帰りにでも貝道氏に引き渡して、初期調整をお願いしようと思っていたのだ。SBFの若い衆を呼んでくれと頼むと、青いツナギのスタッフが飛んできて、「貝道は本日ヨットレースの講習会でここには来られませんが大丈夫ですよ。」とのことだった。とりあえず給油所からはがして対岸のポンツーンに着けるという。否応のない話だ。やがて曳航され落ち着き場所に着くと、ほどなく別のスタッフが二人やって来てエンジンを診てくれた。電気系統の故障であることは分っていたが、どうやらスターターが原因だったようだ。イグニッションを回すと、リレーのカチッという音はするがそれからがいけない。覗き込むと金属色であるはずのスターターがこんがりウェルダンに焦げて茶色になっている。その後、何回か繰り返すうちにリレーも焼きついてしまったのか、突然白い煙がたちこめて、スタッフが慌ててバッテリースウィッチを切る一幕もあった。曰く、スターターは本来エンジンがかかればギアーが抜けて止まるのだが、抜けないまま回り続けて焼けたのだろう。
予定では先週来、同型艇のG藤船長を煩わして教えていただいた照明関係のLED化を施し、天気が持てば懸案の屋根の換気扇を取り換える作業をして元チームメイトを迎えるはずだったのだが、とんだ騒ぎでオジャンになってしまった。おりよく彼とは連絡が付き、事情を話してまた後日にしてもらったので、無駄足をさせずに済んだ。
来てくれたスタッフには、船に置いてくると告げた鍵を持ったまま降りて来てしまったので、ハウスに立ちより、貝道さんに渡してくれるように頼んで出る。
とぼとぼとマリーナの西から東まで戻らなくてはならない。炎天下、重い荷物に喘ぎながら歩いていると、ふと、あの船はツキのない船なんじゃないかと思えてきた。
装備品を見ると随所に良いものを使ってもらっているし、元々は大きな帆をいっぱいに広げ、海原を疾駆する自信とプライドに満ちた船だったのだろう。しかし、エンジンは最新のものに替えてもらったものの、ジブは喪失し、何らかの理由であまり乗られなくなってしまう。いつしか自慢の切れ長で恰好の良い窓には亀裂が走り、締め切ったキャビンへの雨漏りでシートはじっとり湿りっ放し。そうしているうちに誇りと自信をなくし、人間でいうところの気持がクサってしまったのではないかと・・・。思えば可哀そうな奴である。
でも、これからは大丈夫!たくさん、そして大切に乗ってやるからな。と根拠のない子供じみた妄想に耽り、妙に感傷的な気分で歩き続けた。


*(本篇の船についての想像はあくまで私個人の妄想で、事実ではありません。)

by 50SanKai-club | 2012-09-09 07:19 | 海遊び  

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